「展覧会」について

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 今日からVOCA展が始まった。この展覧会は、上野の森美術館で毎年開催されている全国の平面作家の作品が集まる展覧会だ。

 私は高松市美術館の学芸員 牧野裕二さんにご推薦いただいて、貴重なアドヴァイスをいただきながら出展に向けて制作をしてきた。

 アーティストとして駆け出して以来、東京での作品展示はこれが初めて。なので、オープニングで会場入りする日をずっと楽しみにしていた。

 けれど、昨今世界中に蔓延しているコロナウィルスの件で東京に行くことは断念。

 このウィルス、新型なので世の中の情報は錯綜している。その錯綜中の情報を拾っていくと元気な人間が気づかずに感染し、体の弱い高齢者の方々にうつしてしまう危険性があるという。私も作家活動で関わる方々に高齢者も多くおられるのでこの東京行き中止の判断は致し方がなかった。
予約していた往路の飛行機も欠航で変更要請のメールが来ていたので、世の中のコロナウィルスに対する大きな流れも感じる。

 VOCA展は付随するイベントは大方中止になっているが、展覧会そのものは(3月12日時点において)開催が決定されている。
主催者サイドも判断が難しかっただろう。安倍総理の全国一斉休校要請以来、催しは自粛モードが高まっている。実際東京の他の美術館では閉館が相次いでいる。

その中で、ざっくりと大きなことを考える。
「展覧会」という形式は今後どうなっていくのか。

「展覧会」という形式は残るだろう。残っていく中でオーソドックスなものとして一般認識では権威が高まっていくと思う。

一方で、新しい作品の提示の方法が多種多様に生まれてくるはずだ。

実際、この事態の中でwebを活用した展示のあり方がたくさん試行錯誤されている。
その方法は多種多様で新しい時代の風を感じるものもある。
新しいテクノロジーはいつの時代も魅力的なものだ。

ただ、ここで試されれるのは提示の方法の目新しさだけでなく、
如何に作品を観賞していくことができるか、だ。

作品の提示の仕方が激変する中で、作品を観ること。

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